東急株式会社 URBAN HACKS 様
品質ソリューション導入事例
- 導入ソリューション&サービス
交通事業を基盤に、不動産、生活サービス、ホテルなど多岐にわたる事業を展開している東急株式会社様は、多様な事業領域でDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるため、東急グループ内のデジタルリソースを統合し、2021年に新組織URBAN HACKS(デジタルプロダクト開発チーム)を設立しました。
主なミッションは、デジタルとリアルのシームレスなサービス提供によるUX(利用体験)向上を目指し、東急グループの東急線アプリや東急カードアプリ、東急ホテルズアプリなど、多くのプロダクトの開発・改善を行っています。
お話を伺った菊一則久氏は、このURBAN HACKSでプロダクトの品質を担保するQAチームを立ち上げ、マネジメントとQA業務に従事しています。
導入までの背景およびご要望
支援導入までの経緯を教えてください。
2021年7月のURBAN HACKS設立当初、QAチームに私(菊一氏)1人が配属され、イチから体制づくりを任されました。そこからチームメンバーの採用活動を行いつつ、QA業務も並行してこなさなければならず、圧倒的にリソースが足りない状態でした。
特に、ネイティブアプリのQA案件が加速度的に増えており、迅速に対応できるパートナーを探す必要に迫られていたのです。
選定のポイント
テクバンを選んだ理由を教えてください。
テクバンの他に第三者検証会社もありましたが、制約が多かったり、アサインまでに時間がかかったり、課題がありました。
以前、私が第三者検証会社を運営していたときからテクバンを知っていたため、お声がけしました。
テクバンに依頼した大きな理由は、柔軟な対応力にあります。技術力が高いことはもちろんですが、迅速な問題解決能力と、我々のニーズに即応できる臨機応変なサポート体制が魅力でした。
また、コミュニケーション力の高さも重視した点です。
そもそもURBAN HACKSにQAチームが存在するのは、提供するサービスが時代遅れにならないよう、開発しながらテストを行う体制を確立するためでした。そのため、開発チームとの綿密なコミュニケーションは欠かせません。ここに問題が生じてはならないのです。
そして、発足して間もないこともあり、自社以外の様々なパートナーが関わるチームでは、社員か、どの所属かといった垣根は足かせになってしまいます。メンバー間でコミュニケーションを取りながら、それぞれが自立して迅速に動くチーム像を描いていたのです。
導入効果
具体的な支援内容を教えてください。
東急線アプリでは機能追加や改修にあたり、開発チームとのやり取り、テスト設計・計画の立案・実施を支援いただきました。
サポートしている全ての多端末テストはもちろんですが、本アプリは電車やバスの位置を把握できる位置情報機能を備えているため、実際に電車に乗り、正確に位置表示されているかといった、細かい実地検証(フィールドテスト)も対応いただきました。
思い出すのが、2023年3月に実施した東急電鉄と相鉄線の相互乗り入れの際のフィールドテストです。
相互乗り入れによって、東急線アプリにも相鉄線の駅を表示させることになったのですが、電車の位置情報の正確性をリリース前に確認しなければなりません。そのため、相互乗り入れ前日の深夜から始発が発車するまでのごく短時間に、シミュレーターを確認しながら、フィールドテストを繰り返しました。
そして、いよいよ実際に始発が走り、アプリ上でも電車が動いていることを確認したときには、心からホッとして、テクバンのスタッフとともに喜び合いました。
東急カードアプリでは、機能追加など大幅なリニューアルを行った際、サポートしている全ての多端末テストを担っていただきました。また、お客様の利用額や支払い条件に様々なバリエーションがあるため、この細かく難しいQA業務も支援いただきました。
導入の効果を教えてください。
東急線アプリのリニューアルでは、ユーザーの使いやすさをとことん追求し、電車の位置情報に加えて、バスの位置情報も確認できる機能を追加したこともあり、多くのアプリユーザー様から高い評価をいただきました。
従前のアプリは恥ずかしながら評価が低く、根本的な改善に迫られていました。これをQAのアプローチからバージョンアップさせ、一企業が提供するインフラ系のアプリとして、本当に良いものを世の中に提供できたと私自身、感じています。
一方でユーザビリティを高めるということは、テストパターンが増えることの裏返しです。
このQA業務では、テクバンのスタッフとともに、100超ある東急バス路線に乗車。全ての問題を洗い出し、改善につなげました。本件では社内をはじめ、グループ会社の東急電鉄、さらには業務に従事する乗務員からも、感謝の言葉が寄せられました。
このように様々なQA業務をサポートいただいた際、私が最も頼りにしたのが、テクバンのスタッフの柔軟な対応力と円滑なコミュニケーション力です。
例えば、開発部門とのミーティングに、通常であればパートナーの方が参加することはほとんどないでしょう。しかし、先ほど申し上げたように、私は会社の垣根なくメンバーに自立して動いてもらうことを期待していたため、テクバンのスタッフには多くの社内会議に参加いただきました。
これによって、東急グループの社員と同じ目線で解決策を提示いただいたり、主体的に次のアクションを進めていただいたり、社内の意向や方針を都度説明する必要もなく、本当に助かることが多かったと感じています。
また、蓄積された知見を素早く我々に共有いただくなど、お任せしつつもブラックボックス化しないよう、何事も先回りして対応いただいた点にも助けられました。
今後の展望
今後の展望についてお聞かせください。
今後、URBAN HACKSは東急グループのDXを一層加速させることになります。
現在提供しているプロダクトの進化はもちろん、AI(人工知能)など新しい技術導入にも積極的に取り組み、それらデジタルリソースを活用した事業間シナジーの創出、そしてさらなる東急グループ全体のサービス価値の向上を目指します。
この実現にはテクバンとのパートナーシップは重要な要素だと考えています。
- ※記載されている会社名、製品名およびサービス名は、各社の登録商標または商標です。
- ※本事例中に記載の情報は、掲載当時のものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があることをあらかじめご了承ください。
お客様プロフィール
- 会社名
- 東急株式会社
- 設立
- 1922年9月2日
- 資本金
- 1,217億24百万円
(2023年3月31日現在、単位未満切捨)
- 代表者
- 代表取締役社長 堀江 正博
- 従業員数
- 1,482名(2023年3月31日現在)
- 事業内容
- 不動産賃貸業、不動産販売業、その他事業