パーソルテンプスタッフ株式会社 様

Microsoft Office 365 -ワクコレ-導入事例

Office 365のトータルサポートサービスとして、導入サポートから運用サポートまで、ワンストップでご支援しました。

コロナ対策関連の給付金事業にも採用、
パーソルテンプスタッフに聞く「高速BPO環境」の作り方

パーソルテンプスタッフは、人材サービス事業を展開するパーソルグループの中核企業として、人材派遣、ビジネス プロセス アウトソーシング(BPO)などのサービスを提供している。近年、働き方改革の推進などにより、企業や自治体から業務を受託するBPOサービスへのニーズは拡大している。また2020年、コロナ対策事業として始まった「特別定額給付金事業では、神戸市の事務処理を同社が受託、「スピード給付」を実現し全国の自治体から注目された。
しかし、パー ソルテンプスタッフがただちに数百の新規アカウント準備し、数千のアカウント管理するなど「高速BPO」を可能にする組織・仕組みを構築するには、数年間にわたる同社の苦闘があった。同社の取り組みについて、BPOサービスを担当する2人のキーパーソンに聞いた。

BPOサービスを支えるアプリケーション調達環境とは

パーソルテンプスタッフは、事務職・販売職・軽作業職・研究開発職などの人材派遣を中心とし、職種や働き方に合わせたきめ細かな人材サービスを提供している。
 また、近年、BPOサービスのニーズの高まりを受けて体制強化を図っており、コロナ対策で1人10万円が給付された特別定額給付金事業において、神戸市の事務処理を同社が受託してスピード給付を実現した事例が知られている。BPO領域事業管理本部 BPO領域事業管理部 BPOファシリティマネジメント課 オフィスマネージャー 渡邊 浩基氏は、BPOサービス特有の事情について、次のように説明する。

パーソルテンプスタッフが語る、BPOビジネスにOffice 365が
不可欠だった理由

「BPOサービスでは、受託してから規模や内容の詳細が決まるという場合があります。また、一気に数百人規模のプロジェクトが動き出すことも少なくありません。したがって、業務スタッフが利用するデバイスやアプリケーションを、いかにスピーディに準備するかが重要になるのです」(渡邊氏)

2017年当時は、こうした対応は人手に頼っていた。プロジェクトが立ち上がるたびに、必要なPCやアプリケーションを個別に人海戦術で調達していたのである。このため、準備に時間がかかるのみならず、デバイスやアプリケーションの管理が行き届かないなど、セキュリティやコンプライアンスの観点から課題も多かった。背景には当時の社内事情もあったという。

「当時はパーソルグループの再編が活発だった時期です。2017年9月には、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)の公共系受託事業をパーソルテンプスタッフに統合することが決まっていたため、統合に向けてデバイスやアプリケーションを一元的に調達・管理することも求められていたのです」(渡邊氏)

パーソルテンプスタッフ
BPO領域事業管理本部 BPO領域事業管理部
BPOファシリティマネジメント課
オフィスマネージャー
渡邊 浩基氏

こうして、2017年9月を期限とするデバイスやアプリケーションの新たな調達方法の検討が始まった。特に事務業務に不可欠なマイクロソフトのOfficeについて、従来の個別調達を改め、早急に新たな調達方法を確立する必要があった。
パーソルテンプスタッフが2カ月程度で数百の新規アカウントを準備し、全体のアカウント管理するなど「高速BPOサービスの環境構築」を可能にした軌跡を解説する。

わずか2カ月でOffice 365を導入し、
Windows 7のサポート終了に向けて管理体制を強化

persol_03.pngデバイスやアプリケーションの「柔軟な調達」のためにパーソルテンプスタッフが選択したのが、マイクロソフトが提供するクラウド型サービス「Office 365」だった。
Office 365であれば、アカウントの取得からアプリケーションのインストールまでをすべてクラウドで完結し、デバイス、ユーザー、アプリケーションを一元管理できる。このため、顧客の要望に応じて必要なリソースが大きく変動するBPOビジネスとは非常に相性がよい。
 ただし、時間がなかった。統合を実施する2017年9月から、すぐにOfficeを利用できなければならないため、残された時間はわずか2カ月ほどだったのである。そこで石田氏が支援を要請したのが、Office 365の導入から運用までを支援するサービス「Microsoft Office 365 ワクコレ」を提供するテクバンだった。
BPO領域事業管理本部 BPO領域事業管理部 BPOファシリティマネジメント課 エキスパート 石田 司氏が次のように説明する。

「とにかく時間がありませんでした。
そこで、以前から取引があり、Office 365のノ ウハウも豊富だったテクバンに相談し、2カ月で500~600アカウント分のOffice 365を導入し、BPOサービスで利用できる体制を整えました。テクバンの対応はとても スピーディでした。
Office 365の導入を決めてから2週間後には具体的な提案があって、要件を詰める打ち合わせにも迅速に対応してもらえました」(石田氏)

ただ、この時点ではまだすべての環境が整備されたわけではなかった。Office 365で統一された領域と従来型の調達方法が混在していたため、特に管理やセキュリティの観点では、まだ課題は残っていたのである。

「そこで、2020年1月14日のWindows 7のサポート終了に向けて、社内PCのWindows 10への切り替えとOffice 365のさらなる導入を進めました。さらに、テクバンからの提案を受けて、デバイス、ユーザー、セキュリティを統一的に管理する仕組みとしてモバイルデバイス管理ツールの『Microsoft Intune』の導入も決断しました」(石田氏)

パーソルテンプスタッフ
BPO領域事業管理本部 BPO領域事業管理部
BPOファシリティマネジメント課
エキスパート
石田 司 氏

Microsoft Intuneを選択した理由について、石田氏は次のように説明する。
「これまで弊社はマイクロソフトのテクノロジーを選択してきましたので、その点でもMicrosoft Intuneは適していました。
BPOサービスの現場では、企業や自治体といった客先や弊社内もあれば、最近は業務スタッフの在宅というケースもあります。
このため、ロケーションフリーでデバイス、ユーザー、セキュリティを管理できるMicrosoft Intuneは最適な選択だったのです」
(石田氏)

1人10万円給付の特別定額給付金事業の事務・電話対応を支えた新環境

persol_05.pngこうして、Windows 7のサポートが終了した2020年1月14日の時点で、同社のクライアント環境はWindows 10、Office 365、そしてMicrosoft Intuneにほぼ統一された。グループ統合を契機とするクライアントPCの整備が完了し、本格的にBPOサービスを展開する準備が整ったのである。

「従来は、PCを渡したらあとは現場で何とかするという文化もありましたが、そこから脱却し、組織としてPCやアカウントをしっかり管理できるようになりました。これは、今後BPOサービスを拡大していく上で必要な機能です」(渡邊氏)



そして、その直後、新しい環境が成果を発揮する場面が訪れる。コロナ対策として特別定額給付金事業が決まり、それに伴う事務作業を同社が急きょ支援することになったのである。

「コロナ禍以前は、約1,000台のPCが稼働していましたが、2020年の6月頃にはその数が2,000台を超え、Office 365のアカウントは3000近くまで急増しました。しかし、管理側は私も含めて3~4人で対応できました。もしも、従来の人手に頼った対応のままだったら、とても乗り切れなかったと思います」(石田氏)

なお、アカウント数がPCの台数より多いのは、1台のPCを複数のユーザーで利用するケースがあるからだ。 当時の様子を、石田氏は次のように振り返る。

「テクバンの支援を受けながら、PCの手配からキッティング、現場への配送まで行いました。

また、Office 365とMicrosoft Intuneについては、テクバンに作ってもらった管理者用の運用マニュアルが役立ちました。常に内容がアップデートされるので、とても助かりました」
(石田氏)

全国の自治体におけるコロナ関連の受託業務は、給付事務だけでなく、ワクチン接種支援業務などさまざまな事業が継続している。現在でもOffice 365のアカウント数は2000前後を推移しているということだ。

アフターコロナに向けて、BPOサービスのさらなる成長を支える

persol_07.png

通常の企業で、Office 365のアカウントが1~2カ月で1000~2000も増減することは、まずないであろう。
しかし、顧客の業務を受託するBPOサービスでは、こうした変動はけっして珍しくない。その意味でも、リソースを柔軟に拡大・縮小できるOffice 365は、同社にとって最適な選択だった。
「特別定額給付金事業のような突発的なニーズにも対応できたことは、Office 365を導入した大きい成果です。
さらに、今後BPOサービスが拡大すれば、たとえばスマートフォンの活用や仮想環境の導入もあり得ると思いますが、Office 365とMicrosoft Intuneによって、その土台ができたと思います」(石田氏)

なお、パーソルグループのグループ再編は、まだ継続している。その過程では、事業再編や統合に合わせてOffice環境の統合も行われている。

「メール環境やファイルサーバの移行では、テクバンの支援を受けながら作業を進めています。たとえばメール環境の移行では、メールのサービスを止めることなく移行しなければなりません。そのためメール環境を2つ作って、両方を動かしながら移行するのですが、テクバンの支援のおかげでスムーズな移行が実現できています」(渡邊氏)

新型コロナウイルスの感染拡大による環境変化はまだ続くだろう。今後も、国・地方自治体のさまざまな取り組みは継続する。一方で、コロナ後の経済成長に向けて、国・民間の新しい動きも活発化するだろう。

そこでは、自社の業務を見直し、BPOの活用を検討する企業や自治体も増えるはずだ。テクバンの支援でOffice 365とMicrosoft Intuneの環境を構築したパーソルテンプスタッフは、コロナ後に生まれる膨大なBPOのニーズを受け止める準備を整えたといえそうだ。

「1~2カ月で1000~2000のアカウント増減に対応」

  • 記載されている会社名、製品名およびサービス名は、各社の登録商標または商標です。
  • 本事例中に記載の情報は、掲載当時のものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があることをあらかじめご了承ください。

お問い合わせはこちら

お客様プロフィール

会社名
パーソルテンプスタッフ株式会社
設立
1973年5月
資本金
2,273百万円
代表者
代表取締役社長 木村 和成
従業員数
54,760名
事業内容
労働者派遣事業 、有料職業紹介事業
URL

https://www.tempstaff.co.jp/